小中学校教員のための授業づくり完全マニュアル
学習指導要領に基づく効果的な授業設計とICT活用
このマニュアルについて
ICT支援員が教員の授業づくりを支援する際に理解しておくべき、授業設計の基本から評価まで、一連のプロセスを解説します。
ICT支援員が教員の授業づくりを支援する際に理解しておくべき、授業設計の基本から評価まで、一連のプロセスを解説します。
学習指導要領の理解
資質・能力の三つの柱
知識及び技能
何を理解しているか、何ができるか
- 各教科等の特質に応じた知識
- 技能の習得
- 既習事項との関連づけ
思考力、判断力、表現力等
理解していること・できることをどう使うか
- 問題発見・解決能力
- 情報を精査して考えを形成
- 考えを基に創造する力
学びに向かう力、人間性等
どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか
- 主体的に学習に取り組む態度
- 自己調整しながら学ぶ力
- 多様性を尊重する態度
「主体的・対話的で深い学び」の実現
主体的な学び
- 学ぶことに興味や関心を持つ
- 見通しを持って粘り強く取り組む
- 自己の学習活動を振り返る
- 次につなげる
- 学習履歴の蓄積・振り返り
- 個別の学習ペースに応じた課題
- 興味に応じた調べ学習
対話的な学び
- 子ども同士の協働
- 教職員や地域の人との対話
- 先哲の考え方を手がかりに考える
- クラウドでの意見共有・協働編集
- オンラインでの外部との交流
- 思考の可視化ツール
深い学び
- 習得・活用・探究の学習過程
- 各教科等の特質に応じた「見方・考え方」
- 問いを見いだして解決
- シミュレーションでの試行錯誤
- データ分析ツールでの深い考察
- 多様な情報へのアクセス
授業設計の基本プロセス
1. 単元・題材の設定
- 学習指導要領の内容確認
- 教科書の単元構成把握
- 年間指導計画との整合性
- 配当時間の確認
2. 児童生徒の実態把握
- 既習事項の確認
- 興味・関心の把握
- つまずきやすいポイントの予想
- 個別の配慮事項
3. 単元の目標設定
- 知識・技能の目標
- 思考・判断・表現の目標
- 主体的に学習に取り組む態度の目標
ポイント: 「〜できる」「〜している」など、具体的な児童生徒の姿で記述
4. 評価規準の設定
- 目標に対応した評価規準
- 観点別評価の明確化
- 評価方法の決定
5. 指導計画の作成
- 単元の流れ(導入→展開→まとめ)
- 各時間のねらいと活動
- ICT活用の位置づけ
- 教材・教具の準備
6. 本時の展開作成
- 導入・展開・まとめの構成
- 発問・指示の計画
- 板書計画
- 時間配分
授業展開の基本パターン
問題解決型授業の流れ
| 段階 | 時間 | 学習活動 | ICT活用例 |
|---|---|---|---|
| 導入 | 5-10分 |
・前時の振り返り ・課題の提示 ・見通しを持つ |
・デジタル教科書の提示 ・動画で興味喚起 ・前回の学習履歴確認 |
| 展開① (個別思考) |
10-15分 |
・自分で考える ・試行錯誤 ・予想を立てる |
・端末で調べる ・シミュレーション ・デジタルノート |
| 展開② (協働学習) |
15-20分 |
・グループで話し合い ・考えを共有 ・多様な見方に触れる |
・クラウドで意見共有 ・思考ツールで整理 ・画面共有で発表 |
| まとめ | 5-10分 |
・学習内容の整理 ・振り返り ・次時への見通し |
・振り返りフォーム ・学習履歴の保存 ・成果物の蓄積 |
評価の基本
観点別評価
| 観点 | 評価内容 | 評価方法例 |
|---|---|---|
| 知識・技能 |
・知識の習得状況 ・技能の習熟度 |
・ペーパーテスト ・実技テスト ・CBT(MEXCBT等) |
| 思考・判断・表現 |
・思考の過程 ・判断の妥当性 ・表現の工夫 |
・ノート・ワークシート ・発表・プレゼン ・レポート・作品 |
| 主体的に学習に 取り組む態度 |
・粘り強く取り組む ・自己調整する |
・振り返りシート ・行動観察 ・学習履歴 |
ICTを活用した評価
形成的評価
- リアルタイムアンケート
- デジタルワークシートの確認
- クラウド上の進捗確認
- 即時フィードバック
総括的評価
- CBTによるテスト
- デジタルポートフォリオ
- プレゼンテーション資料
- 制作物のデジタル保存
データ活用
- 学習履歴の分析
- つまずきの早期発見
- 個別支援への活用
- 指導改善への反映
ICT支援員ができる授業づくり支援
1. 教材作成支援
- デジタル教材の作成
- 画像・動画の編集
- プレゼン資料の作成
- ワークシートのデジタル化
2. 活用場面の提案
- 単元のどこでICTを使うか
- 効果的なツールの紹介
- 他校の事例提供
- 実現可能性の検討
3. 環境整備
- 端末・ネットワークの準備
- アプリ・アカウント設定
- 教室環境のチェック
- トラブル予防
4. 授業中のサポート
- 同行して技術面を支援
- 児童生徒への声かけ
- トラブル対応
- 記録・撮影
5. 振り返り支援
- 授業後の対話
- 成果と課題の整理
- 改善案の提示
- 記録の保存・共有
参考文献・引用元
注記
本ページは、新学習指導要領と「令和の日本型学校教育」答申を踏まえた授業づくりの指針を提供しています。
本ページは、新学習指導要領と「令和の日本型学校教育」答申を踏まえた授業づくりの指針を提供しています。